iTMS^Gと個人契約したプロミュージシャンが一人、デビューしたクリエイターが一人なのだそうですが、ささやかな数のように見えて実は現行のシステムが崩壊し始めたような気がします。
崩壊とはいっても、もちろん創る方にも購入側にとっても良い再構築になる予感がします。

iTMSでデビューした事実の方が象徴的かもしれません。
今まで音楽クリエイター・ミュージシャンになるには、どこかのレーベル(レコード会社)に所属しなければならず、これは相当厳しいゲートをくぐらねばならなかったでしょう。クリエイターになるのを途中であきらめざるを得ない人も多くいたはず。

仮にプロになっても、売れる兆しがなければレコード会社のプロデュースもランクが低く、レコード店に並べられるのも難しいというシステムですよね。(業界人ではないので多分という想像ですが・・笑)
これは、購買層の側の人がショップに出向き(あるいはレンタル)、購入しなければならないシステムしかなかったからですし、新人やお気に入りのクリエイターを知るには、TVやラジオなどのメディアが情報源だったからです。この情報源は今でも有効には違いないわけですが。

ここにデジタル音楽ファイルのネット配信時代が、インターネットの高速化により到来したわけです。日本においては先に携帯電話(やPDA端末)の高機能化によって、音楽を持ち歩く下地がすでにあり、そこにiPodに代表される専用器機とネット、パソコンとの連携がマッチングしたわけです。

この新たな流れに関しては、レーベル各社の想像の範囲外だったと思われます。(多分世界的にそうだったのかもしれません)

大きな変革は・・・
買う側にも創る側にとっても、1曲単位が可能になったことですね。
レコード会社や量販店以外でも、認知度の高いダウンロードサイトと、作り手のサイトのコラボレーションが簡単にできることも大きいですね。
物理的な移動が仮に最小限でも、これだけネット社会になると上の理由で宣伝・キャンペーン当の情報発信が単純化できるなどもありますね。当然、ネットとTV・ラジオの連携が強化されるでしょうね。他に、インターネットラジオもありますし。
ネットにおいては、エンドユーザサイトも含めた巨大空間なので、今までのような巨額を掛けた広告の仕組みが必ずしも有効ではないということもありますね。
ということは、個人のサイトでの情報は発信がヒットの源流にもなりえる可能性もあるでしょうし、現にインディーズなどの方々のなかにも、そうした方法は存在していますね。

これは、プロはプロとしていいのですが、これからの方々においては、プロとアマ(インディーズの準プロも含め)、境目が無くなる可能性もあるわけです。

クリエーターとしての資質と、パソコンでデジタルファイル作成やネット配信の方法を知っていれば、プロ・アマの差が無く同じことが出来るわけです。プロの品質はもちろんありますが、売れるというのは品質だけでは語れないでしょう。多分・・笑

すなわち、趣味で音作りをしている方々にさえ可能性があるということですね。ビジネス規模かどうかは関係ありません。いいものなら流通する可能性がネットの世界では十分にありえます。

混沌とした世界という方も、もちろんいるでしょうが、いいものは生き残るということですね。
iTunesとiTMSがそういったことまで想定しているか否かは別にして、やりたい人はやるということかもしれません。しかも、厳しいゲートもなければ、たいしてお金もかけずに簡単に。8-)